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松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
no journal, ,
プラズマ輸送研究においてジャイロ運動論方程式をスケール分離を仮定せずに第一原理的に解くことでプラズマ分布関数全体の時間発展を求めるFull-fシミュレーション手法が注目されている。これまで、Full-fジャイロ運動論シミュレーションは、これまでJT-60やITERのような軸対称性を有したトカマク型装置へ適用されてきたが、磁場構造が複雑な3次元性を有するステラレータ型装置のプラズマへの適用例はこれまでになかった。本研究では、Full-fジャイロ運動論コードであるGT5Dについて3次元磁場を取り扱えるよう拡張を行った。3次元磁場平衡構築コードであるVMECコードとGT5D間のインターフェースを新たに開発し、VMECにより得られた磁場や座標情報をGT5Dへ取り込むことを可能にした。拡張したGT5Dを用いてステラレータプラズマで重要となる新古典輸送に関するベンチマークを行った結果、ステラレータ版GT5Dの結果が他の新古典輸送コードや理論解析モデルの結果をよく再現することを示した。
井戸村 泰宏
no journal, ,
本講演では2016年からポスト京重点課題の下で推進されている核融合サブ課題の現状を概説する。広大な時空間スケールをもつITERの核燃焼プラズマをシミュレーションするために、計算機科学、数学的アルゴリズム、数値スキーム、物理モデル等、様々なレベルで既存のペタスケールプラズマコードの拡張が行われてきた。特に、本プロジェクトでは、時間スケールのギャップを克服するために、強スケール計算技術と多時間スケール物理モデルの開発に注力してきた。本講演ではそのような多時間スケールシミュレーションのいくつかの事例を紹介し、開発コードのV&Vの現状を議論する。
鈴土 知明
no journal, ,
核融合炉のプラズマ対向材料は高温、高照射条件などの極限環境下で使用されるため、将来の核融合炉の実現のためには材料の劣化を正確に予測することが求められる。現在、このような実験条件を再現することが困難なため、計算科学的手法を使った材料の機械的性質変化のシミュレーションが有効であるとされている。本発表では、プラズマ対向材料の候補材であるタングステンにおいて核変換元素であるレニウムやオスミウムがどのような材料特性の変化をもたらすかについて新しい知見を得たので、それについて発表する。また、高クロム鋼もブランケット材料として考えられているが、高温環境下で延性が低下することが知られており、それに関する最近の研究成果についても紹介する。